
イスタンブールに着いてから二週間。まったく休みもなく取材やライヴ鑑賞を続け、部屋では雑誌の原稿を書いていた。さすがに息切れしてきたし、夜寝てる間に足もツった。というわけで一泊二日だけイスタンブールを離れることにした。フェリーで一時間半のプリンスズ諸島内のBuyukadaへ。島に着いた途端大雨が降り出し、息が白くなるほど冷え込んだ。何のために来たのか、オレはつくづくリゾート運がない。

そのまま次のフェリーで帰ろうかと思ったが、思いとどまり、一泊だけすることにする。まだシーズンではないので、島の四つ星ホテルのシービュールームが130YTL(約八千円ちょっと)で泊まれた。雨がやまないので、部屋でワインを飲んでいたら、昼寝してしまった。夕方になり、雨が上がり、波止場を歩きまわる。底冷えするがイスタンブールの都会とはまったく違う世界だ。毎晩午前様だったので、たまには早寝しよう。

翌朝起きると、空が晴れ、窓からは深緑色の海が見える。

波止場でのんびりして、島で唯一の交通機関である馬車をチャーターして島を半周してもらう。島の南側には夏にキャンプやハイキング出来そうな森林公園が広がっていて、空気が美味い。ちょっとした森林浴をして、お昼前に宿に戻りチェックアウト。お昼は地元民向けのロカンタで、鯛一匹まるごとグリル9TL(550円)を食べて、午後のフェリーでイスタンブールへ戻る。午後三時半にはイスティクラル通りに戻っていた。

片道二時間弱でリゾート出来た二日間だった。イスタンブール後半も毎日毎晩予定が埋まってしまった。