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Islamic mystic lecture @Todai

年末最後のDJは17日ですが、その前日16日には京大の研究者、新井一寛さんに誘われ、東京大学で行われるイスラーム地域研究にコメンテーターとして出演します。結構堅そうな内容ですが、主題はエジプトの現代スーフィーのトランスについてです。僕はエジプトのスーフィーは1回しか見たことないので、モロッコのグナワについて話します。というより映像をお見せします。お近くの方、冷やかしがてらに是非お立ち寄り下さい。

日時: 12月16日(土) 13時30分〜17時00分
会場: 東京大学(本郷)法文1号館112教室
※会場は、東大正門から入って銀杏並木を直進し、左側2番目の棟です。銀杏並木沿いの扉から入り、左手の通路を奥までお進み下さい。
報告者: 新井一寛 氏(京都大学大学院・博士課程)
題目: タリーカ(スーフィー教団)接触・音響組織論への展望:映像資料の分析的活用などを通じて
コメンテーター: サラーム海上氏(音楽評論家・DJ)

本発表ではまず、概論としてタリーカ組織論について述べる。タリーカ組織論を行う場合、タリーカの構成要素のどの要素に力点を置いて考察するかでタリーカ像は変わる(最終的には複合的に考察するのだが)。いくつか思いつくのが、カリスマ集団、儀礼集団、理念集団・・などとしてタリーカを設定することである。また、分析視角によっては、既存の宗教集団論を応用して、T型集団、R型・・などと類型論的に整理することもできる。こうしたことを前提として、本発表では、儀礼に力点を置いた組織論的考察の展望について述べる。この研究によって、「濃密」なタリーカ像を描写することが可能になると考えている。
 ある教団の宗教実践では音楽が多用される。発表者の観察による直感では、その音楽(リズム)は4つの注目すべきタイプがある。それらは、個々or集団で恍惚に至るもの、有機的共同性or近代的組織性を育むものである。シャイフはDJのように、それぞれの音楽を使い分け、同教団を近代的組織性や擬似家族性、感情性などの特徴を複合的に有するひとつの宗教集団として維持・運営している。今後こうした研究を、フーテージ・フィルムの分析的活用や、クラブとの比較研究、トランス研究、音楽心理学における方法論の応用(それらの分野の方々との共同研究を視野に入れて)によって、実証的に進める予定である。
 そこで、本発表では、「生の」アラブ音楽(スーフィー音楽にも)に通じておりかつご自身もDJをなさっているサラーム海上さんにコメントをいただき、今後の展望としたい。ちなみに発表時には実際に映像を活用する(昨今、関西圏を中心に盛り上がっている、研究上における映像活用についても、本発表中に述べる予定)。またサラーム海上さんにも、コメントの際にご自身のスーフィーとの交流体験をカッワーリーなどの映像を交えてお話して頂く予定である。

by salamunagami | 2006-12-16 13:30 | エキゾ講演&トーク  

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