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ウメコさんのDVD考察

 先日紹介したウメコさんのDVD、ちょっと残念な作りです。まず、70分のメインコンテンツは彼女の演奏風景ではありません。北海道の大自然風景が春夏秋冬の4パートに分けられて延々と流れ、そこにウメコさんのウポポが被さってます。しかもイントロに商店街のスピーカーから流れている「ピヨピヨ、ホーホケキョ」みたいな安っぽい鳥の鳴き声や小川のせせらぎが無分別に被さっている曲も多く、しかもウメコさんのウポポにも無用なリバーブがかけられてます。なんでこんな音処理してしまったんだろう。
 ただ、30分のおまけ映像、録音風景ドキュメントのほうを見ると、こちらはワンカメラで撮っているだけなのに、ウメコさんの歌のマジックが映ってます。「じゃ、歌います」と言って、フと歌う出すウメコさん、その瞬間、場に立ちのぼる声が何モノをも超越してる。クラクラするほど。
 ザキール・フセインやアニンド・チャタルジーはゼロからその次の瞬間にはフルスロットルで演奏してるけど、それと全く同じ。この歌う姿だけをいつまでも見たかった!
 ウメコさんの歌う姿はもう二度と見れない。それに比べて北海道の自然なんて、テレビを点けるか、北海道に行けばいつでも見れる。どちらが資料的、音楽的に価値のあるものかは一目瞭然なはずでは? 音声だって、どうしても自然音を加えたいなら、DVDの音声切り替えで素のままのウポポと自然音入りの両方の音声を収録してくれれば良かったのに。スッピンの音のほうは学術的資料にもなるはずだし。オレはリバーブや自然音が悪いと言っているわけじゃない。ただそういう音を入れるなら音楽的に美しく、音楽家の本能や必然に基づいてやって欲しい。「イフンケ」や「ウポポサンケ」のように。
 このDVDに足りてないのは音楽家の視点です。それでもこのDVDには音楽の生まれる瞬間のマジックが記録されています。それだけで価値はあります。限定800枚とのことなのでファンはなんとか手に入れて下さい!

追記:とまあ一気に書いたのですが、朝もう一度見直してみると、北海道の自然もなかなか悪くないなと、、、。それが彼女のウポポを生んだ土壌だろうし。ただ不自然なミックスがされた自然音、オレはやっぱり要らないと思います。

by salamunagami | 2006-04-17 23:44 | エキゾ音楽  

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