3.13 Tue. Shopping & Qawalli @Delhi 2
3月13日火曜オールナイトカウワーリーフィーヴァー二日目
朝7時過ぎに目が覚めてしまう。四時間しか寝ていない。しかし、それ以上眠れないので、写真を取り込んだり、経費をつけたりしているといつのまにか8時半。
お腹の調子がまだ悪い。シャ〜シャーという本格的な下痢が三日目。日本から持ってきた薬が効かないので、村山先生にいただいたイスパゴールをヨーグルトに混ぜていただく。二度目だがやはり不味い。
午前10時半に出発。まず最初に妻のジャイプル行きのバスチケットを買いにビカネールハウスへ。リキシャ代は100という。なんだこないだ200だったのに。チケットを予約し、次はメヘルチャンドマーケットという場所へ。リキシャを下ろされた場所でショップナンバーを頼りに歩くが、どうしても目当てのplayclanが見つからない。よく住所を見るとメヘルチャンドではなくカンナーマーケットという場所だった。でも同じローディコロニーの中のはずなので近いだろう。道を尋ねながら探すと、10分ほどでメヘルチャンドマーケットに着いた。途中の道は閑静な住宅地。メヘルチャンドは前回サトコンジジコ夫妻に連れていってもらったオシャレなショッピング街だった。そこで妻が地元デザイナーブランドのシャルワールカミーズを二着買う。そしてショップナンバーをたどるとplay clanが見つかった。なんだ、サーケート店よりもよっぽどでかいじゃないか! 店に入り、Tシャツコーナーヘ。そして気に入ったデザインのものは、全てお取り置きし、友人に頼まれたサイズや僕のサイズを出してもらう。その場で9点のTシャツと1点のコースターを買うと、後から来た西洋人旅行者があっけにとられていた。日本人は買い物キチガいだ!とくらい思われたかもしれないが、言っておこう。Play Clanは気に入ったデザインと希望のサイズがあったなら、迷う前に全て買っておけ! 彼らも1年後には僕と同じことを言っているはずだ。
買い物を十分済ませたので、GK1に行き、今度は本屋さんへ。英語本屋の中でもCDコーナーは格段に小さくなっていたが、それでも他の店にはないシュジャート・カーンのスーフィーものなどニューエイジ〜スーフィーの専門レーベルCDが並んでいたので、とりあえず9枚買う。レジに行くと店員に「すばらしいセレクトですね」と言われる。つーか、他に欲しいもの一枚もなかっただけだよ。妻はインドらしいハンドメードの絵本を買う。屋上のカフェタートルへ。二人ともそれほどお腹が空いていないので、ペストのペンネを一皿頼み二人で分ける。ザクロジュースは消化に良いはず。これだけで850ルピー。前夜のムスリム・ノンヴェジ飯が四食食べられる値段だ。タートルで一休みした後に、買い物を続ける妻を置いて、僕だけ先にホテルに戻る。案の定、東京の編集者から催促のメールが来ている。
妻は4時に戻り、その場で前夜に会ったMasala Teeのシェイハさんに電話すると、5時に我が家に遊びに来て。マサラティーをごちそうするからと誘われる。よろこんで!
4時40分にリキシャに乗り、ニザームウッディーン・イーストに向かう。5時ちょうどにイーストに到着。しかし、住所がなかなか見つからないので歩き回ると、ニザームウッディーン・イーストは結構な高級住宅街になっていることを初めて知った。やっとたどりついたシェイハの家の横には大型マンションを改装したような(代官山のツタヤみたいな建物)B&Bがあった。一応値段を聞くとダブルで8900ルピー(約15000円)とのこと。部屋の中は見ていないが、40mくらいと広いベランダも着いていそうだ。
シェイハの家は200mくらいのワンフロアと屋上付き。屋上はモロッコのリヤド風にイスとテーブルが配置され、目の前にはなんとフマユーン廟が一望出来る。うらやましい! これまでに旅先で伺った家で眺望がうらやましかったのは、まずボスポラス海峡が一望出来るメルジャン・デデの家、そして先日のラホール城塞の一部となっていて、ラホール城が一望出来るオッサンの家、それから今日はフマユーン廟だ! 東京の我が家サラームバワンは、来てくれる皆さんにうらやましい家、すごい家と言われるが、僕達は旅先でもっともっとうらやましい環境の家を見ている。だから東京でも無意識に似た環境の家を探してしまうのだろう。まあ借家なんでいつまで住めるかはわからないんですけどね。シェイハの養子のAちゃんに手を繋がれて、彼女の秘密の遊び場である屋上のブランコに案内される。Aちゃんは三歳のインド人、シェイハとおなじく流暢な英語とフランス語を喋るがヒンディーは話さない。複雑な環境で、不思議な子、マサラな子に育ちそうだ。シェイハ自身、聞くと、ウイグル人と中国人とマレーシア人、そしてエジプト人の血を引き、シンガポール、上海、パリ、デリーで暮らしてきたという根っからのマサラー人だ。
妻が彼女に「スウィート・モロッコ」を献本すると、女性二人は意気投合して、盛り上がる。
お茶の後、僕がスパイスを買いたいと言うと、彼女が行き着けのお茶屋、ミッタルティーに出かける。ミッタルティーの主要取引先は日本らしく、マネージャーはきれいな日本語を話す。ガイドブックるるぶに掲載されているらしい。そのるるぶのイラストはゆりこが描いていた。ここもスモールワールドだ
ここのスパイスとお茶は全てオーガニックとのこと。僕が欲しいスパイスのリストを渡すと、その場で計って、袋詰めして真空パックしてくれた。買ったのはクミンシード,コリアンダーパウダー、コリアンダーシード、マスタードシード、シナモン、クローブなど各300g前後ずつ。途中、店主のミッタルさんが現れる。いかにも品の良さそうなインド北西部の顔をしている。「ミッタルさんはグジャラートの方ですか?」と聞くと、「生まれはハリヤナですが、家族はラージャスターン、グジャラートにいます。それらの地方は土地が肥沃ではないので、兄弟の多くは外に出て仕事をするのです。だから私の兄弟も一人は地元で、私はデリーです。親戚は世界中にいます」という。
直接ダルガーに行くつもりだったので、サフランを買うほどのお金も持ち合わせていなかったし、カードもホテルに置いてきていた。なのでサフランだけは出直して買わねば。「全部あわせておいくらになりますか?」と村山先生から習っていたヒンディーで聞くと、「シェイハさんのお友達なので特別価格に致します」とヒンディーで返ってきた。「僕達のために特別なものはありますか?」と聞き返すと「貴方たちに特別にバニラシードを三本差し上げます」とも。そんな高価なものをいただけるとは! ヒンディーを勉強しておいて良かった!
スパイスは全部で1000ルピー。サフランだけは5g(インド産は1gで239ルピー)ほど買いにもどらないと!
買い物を終え、再びシェイハの家に向かうが、その途中にある純白のグルドワーラーで下ろされた。見学してこいというのだ。窟を脱ぎ、帽子を被って、参拝する。夕方だったおかげで、建物の中ではグルの讃歌が歌われていた。15分ほど休んでから、シェイハの家に戻る。Aちゃんはipadでトムとジェリーを見ていた。夕食を用意したと言われるが、この後村山先生と夕飯の約束をしていたので、軽く一口だけいただき、8時40分においとまする。彼女とは翌日のダルガーで再会するはずだ。
ションベン臭い道を歩き15分でニザームウッディーン廟の入り口に。携帯を見ると村山先生からSMSが届いていた。「夕食にはアルカカット(これでインディアドットコム)さんが一緒になる」とのことだ。喜んで!
参道をカリームホテルに曲がる角でアルカカットさんと合流し、そのままカリームホテルへ。地下二階の冷房が効きまくったファミリールームに通される。村山先生もすぐに現れた。頼んだのはチキンマサラーとチキンティッカと羊の脳味噌カレー、そしてマトンビリヤニ、ナーン。オールドデリーにある本店には最近は行けてないが、ニザームウッディーン店には、サラームの音楽ツアーなどで頻繁に来ている。
届いた肉はどれも最高に美味い!チキンティッカ、ビリヤニの炊き込みマトン、羊の脳味噌のトロトロで濃厚なのどごし、煮込まれたチキンの足、どれも最高!
夕食をゆっくり取り、11時前にニザームウッディーン廟に入る。
今日は前夜よりも女性率が低い、というかオッサン率が高い。座った瞬間僕と妻はすぐに座ったまま眠りこけてしまった。というのも前日は4時間しか寝ていなかったから。だから11時〜12時代のカウワーリーについてははんぶんまどろみの中で聞いて、写真を撮って、ビデオを撮影していた。前日とは異なり、歌手のところにマイクが置かれたため、音量がアップし、前日ののんびりした雰囲気とは異なり、パワーあふれる演奏となった。そのせいか、曲がサビを迎える度にオヤジたちがいてもたってもいられないといった風情で真ん中に立ち上がり、次々とお布施を撒いていく。音楽もそれにまして繰り返しが多くなり、パワフルに、呪術的になっていく。三連のせわしないリズムにのって、オヤジ達が次々とお金をばらまき、しまいにはパキスタンで見たような花びらまきにまでなっていく。それをほんの1mの距離から眺めている。ものすごい光景だとはわかっているのだが、どうにも睡魔から逃れられない。
音量は前夜よりはるかに大きく、頭にウルドゥー語のフレーズがこびりついて離れない。どうにも朦朧とした音楽体験だ。客観的に見れば前日より、今夜のほうが音楽的にも宗教儀礼的にも充実しているのだろうけど、ここまで眠いと、もうどうにもならない。迫力のカウワーリーを贅沢な子守歌として聞くしかない。
1時前になってやっと眠気が覚めてきた。一旦、近場を離れ、数メートル脇から全景を見れるように場所を移る。二時を過ぎてもまだまだ終わる気配がない。たっぷりとカウワーリーを浴びてから帰宅。イイ顔オヤジたちのレイヴパーティーだ。
by salamunagami | 2012-03-14 20:35 | エキゾ旅行

