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3.1 Thu. Trance by Dhammal!!

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2241734.jpg3月1日木曜
ダンマールでトランス!

 朝6時半に目が覚める。9時間も寝ていたようだ。写真を取り込み、たまっていた日記を書くが、まだまだ間に合いそうにないので、撮った写真を厳選したものだけを前もってfacebookにアップする。
 10時半、妻の買い物のためリバティープラザという商店街に向かう。ここにはイスラマバードで気に入って何着も服を買ったブティックの支店があるのだ。リキシャに乗り20分ほどで到着。入り口はCD売り場の入った本屋があった。商品はなんと海賊盤ではなく基本的に正規盤だった。しかも先日買った店の2/3の値段だ。というわけで店員に勧められるがままに30枚ほどCDを買う。村山先生もたっぷり買い込み、ゆりこはパキスタンの女性ファッション雑誌を数冊買う。本屋を出ると数軒先にお目当てのお店を発見。そこでああだこうだとチェックするが、手持ちのルピーが足りないので、両替所の場所を教えてもらい、更に先までそぞろ歩きをする。このショッピングセンター街は扇型に広がっていて、扇の辺を歩いていると延々と続いているように思えエルが、実は端から端までは100mくらいなのではないだろうか? 目の錯覚を上手く使った建築だ。今日はいつにもまして暑い。日向は30度近いのではないだろうか? 両替を済ませ、今度は裏通りの昔ながらの商店街を歩いて回ると、ショール屋を発見し、ゆりこは交渉の末にかなり高価なショールを幾つか手に入れる。ショッピングしていると時間の経つのは早い。最初の店にお金を払いに行くと、既に2時半になっていた。宿に戻ろう! 3時10分に戻り、昼食はルームサービスでマトンカライーに初挑戦。カライーとはパキスタン料理で、一つの鍋で炒め煮にしたカレーのこと。大量の油と大量の肉、スパイスは特に凝ってはいない。45分もかかって届いたマトンカライーはマトンが1kgも使われていて、深皿の上に油の層が2cmくらい浮いている。さすがに地元名物料理だけにルームサービスでも外れはない。素朴な料理だが、肉が良いのか、とても柔らかく、カレー味がしみこんでいる。それをナーンをちぎって、ヨーグルトをたっぷりかけて頂くのだ。これはゼロ活力鍋を使えば加圧時間ゼロ分で同じものが作れるはず。ラホールにいる間に高級店でマトンカライーを頼んでみたくなった。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2293787.jpg4時にJicaの大橋さんとアビッドさんと待ち合わせ、郊外のダルガーに行く予定ではあったが、JICAの二人は仕事が終わらずに急遽中止となった。そこでしばらく休んでから、パキスタンにおけるスーフィー聖者信仰の中心地で、カウワーリーのお膝元ダータ・ガンジ・バクシュ・ハジュベリ廟を訪ねることにした。6時前にリキシャに乗って出発。ちょうど夕暮れ時で、市内の道はゲキ渋滞。空気は10年前に初めて訪れたチェンナイなみに排ガスだらけ。鼻の穴の中真っ黒になってるはず。渋滞を抜けて、6時半にダータ廟に着いたが、木曜の夜で参拝客がごった返し、入り口からカオス状態。すぐに村山先生とはぐれてしまい、しばらくして見つけるが、男女は入り口が別々なので、ゆりこを女性入り口まで連れて行き、僕と村山先生は男性入り口から荷物チェックを受けて入る。するとすぐに携帯が鳴るので、出ると、妻が女性入り口の荷物チェックに引っかかり、女性がカメラを持っているということで入場出来ないと言う。女性がカメラを持っていると爆弾テロだと関連づけられるのか? 本来は男性もカメラを持っては入れないようだが、チェックが甘くなっているようだ。つ〜か、このスマートフォン時代にカメラチェックなんてどうやったって無理だよ。仕方ないのでダータ廟は諦め、女性入り口に向かい、ゆりこと合流し、人混みから離れる。カウワーリーの総本山のような場所だけに一度はお参りしたかったのだが、今回は縁がないようだ。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2231514.jpg入り口近くのお守り屋で、お守りをいくつか買い、リキシャに乗って今度はシャー・フセイン廟へと向かう。こちらは「宗教的な乱痴気騒ぎ」を意味する「ダンマール」が集まる場所である。ダンマールは数年前に来日公演も行われたが、長髪の修行僧たちが大太鼓ドールの叩き出すバングラに似たリズムに合わせ、猛烈な速さで頭を振り回し、旋回し、トランスへと至る超高速宗教トランス音楽とその縁者達を指す。廟に向かう途中でアザーンが鳴りだした。着く頃にはダンマールは休んでいるとのこと。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2225935.jpgインドのニザームウッディーン廟の境内によく似た道を進むと、ダルガーの入り口に着く。リキシャの運ちゃんには帰り道まで待っているからと言われる。廟に入ると、先ほどのダータ廟とは異なり、女性参拝客や子供連れの参拝客が多く、廟の前には巨大な丸い釜に火が焚かれ、その炎に向けて参拝客が願掛けをしている。それって全然イスラームじゃないじゃん!と思うが、これが南アジア〜インド亜大陸的なイスラームなのだ。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2231585.jpg廟の入り口で花ビラを50ルピー分買い、中に入り、聖者のお墓に花びらを振りかけ、お墓を触ってバラカを得る。お土産のおこわをいただいた。聖者廟には女性は入れないが、奥にある小さな別のほこらには女性は入れるので、そちらは女性客がいっぱいだ。境内の一角で座り込んでいると奥のほうで男性たちがジクルを始めた。それをビデオに撮ろうとしていると、家族連れの女性たちがゆりこのほうに話しかけ、言葉も通じないのに一緒に並んで写真を撮りたがる。若い女性の写真を撮ることは難しいので、折角なので喜んで写真を撮らせてもらう。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2231211.jpgジクルが一段落した頃に外から激しいドールのリズムが聞こえてくる。ダンマールが始まったようだ。廟の門を出ると真っ暗な路上に人だかりが出来、そこの真ん中に5〜6人の長髪の修行僧たちが頭を超高速で振り回している。僕達が人垣の外から見ていると、地域の親切なおじさんが道を開け、主催者側の特等席を用意してくれた。そこで灯りがないのでストロボを使って撮影していると、どうも彼らが光りを気にするらしいので、すぐにフラッシュは用いずに自然光のみで写真撮影することにした。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2239100.jpgビデオも撮影したのだが、真っ暗闇に降り乱れる長髪のシルエットしか映り混まないので、途中から写真一本にした。特等席の端に立ち上がって、カメラを構えると、シャッター速度は1秒〜0.8秒で、回転する軌跡しか写っていない。シャッター速度を0.3秒くらいにすると露出はアンダーだが、多少は踊り狂う人々の表情が写り混んできた。

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_2231265.jpg僕が写真を撮り、村山先生がビデオを撮る間、ゆりこは親切なおじさんに花束贈呈まで受け、夕飯までおごらせてくれと言い出された。村山先生によると、地域のダンマールの会に外国人、しかも女性までが興味を持ってくれることは地域にとって誇りなので、親切なおじさんが現れたのだと言う。その花束贈呈を見た村山先生は、「パキスタンの男気すごいですね。日本でも男はあそこまでやらないとダメでしょうか?」と言い出したので、「いえいえ、あれはやり過ぎです。日本で知らない女性にそんなことやったらダメですよ」と妻が諭すことになった。 

3.1 Thu. Trance by Dhammal!!_c0008520_223118.jpg10時前に待っていてくれたリキシャに乗りホテルに向かう。リキシャの運ちゃんはダンマールが大好きで、毎晩見に行っているという。なんだ趣味と実益を兼ねていただけなのだ。
 宿に戻り、ルームサービスで夕食を食べると、もう12時。全身が筋肉痛。妻は排気ガスに喉をやられ、風邪をひいたという。写真を取り込み、一時前に寝る。

by salamunagami | 2012-03-02 22:10 | エキゾ旅行  

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