2.26 Sun. Islamabad 2nd.Day

c0008520_15154130.jpg2月26日 日曜
イスラマバードで些事に追われる

朝7時に起き、シャワーを浴び、8時半に朝食を取り、メールをチェックすると、妻あてに大至急の原稿直しのメールが届いていて、しかも9000文字のテープ起こし原文を人に見せられるものに仕上げるという、普段なら一日がかりの仕事。しかも妻のプロモーションのためなので無料。面倒だが、これを終わらせないと、原文ママのテープ起こしが表に出てしまうので、送ってくれた人には悪いが、僕の手で応急処置を行う。途中、二度の停電を挟み、もちろんネットも遮断されながら、4時間かけて、6000文字程度のインタビュー原稿に直す。それだけで午前中は終わってしまい、日記も写真の整理も出来ず。
その間に、妻が前日に買った服を着て、ホテルのロビー前でファッションショー。写真をfacebookにアップして、欲しい人を募ってみようと妻が提案したので、その場でやってみるが、facebookのリンクが上手くはれず、限られた人にしか届かなかったようだ。それでも1時間で三人から注文が入った。
c0008520_15153984.jpg原稿を終了し、午後1時半に村山先生と三人でラーワルピンディーへ。リヤーカットパーク近くのチャイナマルケットという庶民的なエリアの一角、中華料理と漢字で書いてあるけど、実はウイグル料理屋に入る。日本人と見ると、メニューを裏返す。8種類ほどのメニュー、一番上はspaghettiと書かれていた。次がspecial spaghetti。その他manti、chinese riseなど。マントゥ以外なんのことだかわからないので、メニューを裏返して、ウイグル文字のほうを読むと、上からラグメン、なんとかラグメン、マントゥ、ショルバなどと書かれている。そこでラグメン、スペシャルラグメン、ショルバ、チャイニーズライスを頼んだ。マントゥは30分以上かかるらしい。それは正しい。僕も自宅でマントゥを作るなら、お客に手伝ってもらわないと作れないから。
c0008520_15153959.jpgまず最初に運ばれてきたのはチャイニーズライス。チャーハンみたいのを想像していたら、羊肉とインゲンとピーマンのピリ辛炒め煮をぶっかけた長粒米のご飯だった。これは野菜が多くて食べやすい。次にラグメンとスペシャルラグメン。何が違うって、西新宿のウイグル料理店タリムと同じく、ノーマルなラグメンは最初からピリ辛煮がぶっかけてあり、きしめんのような味。スペシャルラグメンは全部の麺が一本に繋がっていて、口の中でもプリプリとかみ切れないほど腰が強い。ノーマルなラグメンでも美味いのだが、一度スペシャルを食べてしまうと、もう元には戻れない。上にかかっているピリ辛煮はライスもラグメンも一緒なので、味は単調だが、羊肉にこだわっているのだろうか、柔らかく出汁もしっかり出ている。
最後に運ばれてきたのは羊のスープ。これは日本の牛タン屋で出てくる牛テイルスープをそのままマトンと香菜に置き換えたような澄んだスープ。これは滋味あふれる感じ。落ち着く味だ。四品で760ルピー。700円ほどか。
c0008520_1515366.jpgお店を出て、サダルまでオートリキシャに乗り、昨日に続いて両替商のビルへ。ビルの前にはショートバレルでサブグリップ仕様に改造したAKカラシニコフで武装したヒゲのガイがいて、写真を撮ってくれと頼まれた。
両替を済ませ、前日に寄ったサダルの女性服屋に入る。ゆりこは前日と同じ店員に対応してもらい、服を選ぶが、欲しい服にかぎってMサイズが品切れしていて、二着しか買えず。
サダルの路上には日曜午後定例の野外古本商が出ていて、ウルドゥー語、英語の本を並べている。僕はそこで二人と別れ、一人だけでホテルに戻る。ちょっと疲れていたのと、午前中に日記が書けなかったので、町歩きより自分の仕事を優先したのだ。昨日のことは忘れないうちに書いておかないと、必ず忘れてしまう。
村山先生がタクシーの運ちゃんにホテルまでの道を教えるが、この運ちゃんは文盲で、ホテルのカードを渡しても、読めない、読めないと言うだけ。
c0008520_15192386.jpgホテルは空港の近くだが、進行方向の右側なので、Uターンする角がどこだか、僕もあまり覚えていなかった。「アゲ、アゲ」まっすぐ、まっすぐと繰り返し伝えているうちに、町外れまで行ってしまった。行きすぎたようだ。近くを歩いている若者をつかまえ、ホテルのカードを見せるとUターンして戻れと言う。Uターンして戻っても、なかなかホテルが見えずに、運ちゃんは「ペトロールが高い、お前がアゲ、アゲ言ったからこうなる」などとグダグダウルサイ。「いいから黙ってろ! 携帯で電話してくれ」と頼むが、ケチで携帯も使ってくれない。そこで再び道を歩いているアニキに聞くと、まだ先と言われ、運ちゃんの文句をウダウダと繰り返している。まあ、僕の日本の携帯からホテルに電話すれば良いだけのことだが、それだけでタクシー料金以上のお金がかかるし。見つかるまで、道を歩いている人に聞けばいいや。そう思い、しばらく戻ると目の前にホテルが現れた。ふ〜、お疲れ様。運ちゃんは何か文句を言い続けているが、約束の200ルピーに加えて、更に100ルピーを足し、肩を押さえながら相手の目を見て、覚えたてのウルドゥー語で「神は今、お前を見ているぞ! Aaj, Khudaa dekh rahe hain!」とゆっくり三回言うと、「フダー・デーク・ラヘー・ヘン」と小声で口にしてやっとだまりこんだ。
フ〜、別にたいしたことではないが、この旅慣れた百戦錬磨のはずのオレ様でも迷ってしまい、しかもローカルの携帯電話が持てない(数年前にムンバイで起きたテロで、外国人がパキスタン国内で買ったSIM携帯が使われて以降、外国人旅行者は現地のSIMを買えなくなった)から、連絡にも困るのだから、やはりパキスタン手強い。まあ色々裏技はあるらしいが、外国人がSIMを買えない国なんて初めてだ。
ホテルに戻ると、定時の計画停電で、部屋は真っ暗。今回泊まっている宿shelton hotel、村山先生の部屋や両隣の部屋は光が差して明るくて室温も高いのだが、僕達の部屋だけは北向きで、窓の外にはマルセル・デュシャンの「泉」は放置されているわ(僕のfacebookやtwitterを見てくれ)、床は僕の嫌いなカーペット張りだわ、ちょっと居心地は良くない。初日に部屋を換えてくれと妻が頼んだのだが、結婚式で週末いっぱいフルだったのだ。
同じホテルでも部屋の状態によって、受ける印象はガラっと変わる。だからこの宿が悪いというわけではない。従業員はインドと比べると勤勉で、馴れ馴れしくもないし、wifiも繋がるし。オススメ出来るホテルである。なので今後泊まられる方は、部屋は幾つか見せてもらうと良いだろう。

停電中の部屋で夕方まで休み、日記を書き、停電とインターネットが戻ってから日本とメールのやりとりをしていると、6時半にゆりこ達が戻ってきた。町で一番大きな市場に行ってきたようだ。お土産のバングルなどを見せてもらう。僕は一休みしていて良かった。
夕方から急に気温が下がる。股引でも持ってくれば良かったと思うほど。

c0008520_15153997.jpg夜9時半に、村山先生の友人で、3月のバダル・アリー・ハーンの招聘にもマネージャーとして同行するアトハルさんの自宅に伺う。アトハルさんの車に乗り、ホテルの近くから丘陵を登ると、彼の家は本当に丘陵の一番上にあった。ガレージには自動車が三台、敷地は200mくらいで三階建てか? 二階の玄関を入ると、コンピューター関係の仕事をしているという長男が迎え入れてくれた。応接間は30畳くらい、そこにパキスタン各地の民芸品が陳列され、小さな博物館のようだ。パンジャービードレスの奥さんが挨拶に現れ、村山先生と再会を祝す。
応接間の奥がダイニングになっていて料理が並んでいる。パンジャービーの家庭料理は初めてなのだ。まずパンジャーブの名物である芥子菜(サーグ)とバターをたっぷり使ったカレー。日本のカレー屋でほうれん草のカレーがあるが、あれを芥子菜に換え、たっぷりの水牛のバターをちらしたもの。これはレストランではなかなか食べられないものらしい。そして川魚のフライ。カレー味の衣を付けて、ディープフライしたものだ。そして一番美味しかったのはチキンとヨーグルトのカレー。とてもシンプルで、さらさらとしていて、カレー味のチキンスープみたいな味だ。地鶏ならではの濃い味がする。アトハルさんは料理もするらしく、レシピを伺った。
材料は鶏まるごと、ヨーグルト、タマネギ、青唐辛子、トマト、すり下ろしたニンニクとショウガ。スパイスはターメリック、カイエンヌペッパー、クミンパウダーだけ。随分シンプルな作りだ。インドのような複雑なスパイスの組み合わせはしないようだ。
この他バスマティライスとロティー、たくさんの種類を使った野菜サラダと、温野菜、そしてトゥルシーがたっぷり出てきた。美味しいのでついつい食べ過ぎてしまうが、サーグのバター以外はさっぱりしている。
食後は応接間に戻ると、お子さんたちが三人現れた。次男はイスラマバードの大学にこれから通い、ソフトエンジニアになりたいとのこと。長女は婚約中で、結婚式に招待された。せっかくなので家族全員の写真を撮らせてもらう。そしてきりの良い所でお暇する。
宿まで車で送ってもらい、宿に戻ると、村山先生が「これでイスラマバードの仕事は全て終わりました」と口にする。バダル・アリー・ハーンたちの日本への渡航ビザの問題もなんとか解決しそうだ。アトハルさんは一月後の春分の頃、東京で再会する。
11時前に部屋に戻った。今日は疲れた。冷たい乾燥した空気、しかも埃と排気ガスが混ざっている空気を吸い込み続けたせいで、喉が腫れてしまった。念のため炎症を抑える薬と葛根湯を飲み、ホッカイロを下着に貼って11時半には寝る。部屋が暗いとヒゲ剃りも面倒になる。シャワーに一日くらい入らなくても良いだろう。
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by salamunagami | 2012-02-27 14:50 | エキゾ旅行  

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