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Ethiopian movie "Teza" 『テザ 慟哭の大地』


今日は朝から、イメージフォーラムにて、ドイツに留学していたエチオピア人男性の目を通じて1970-90年代のエチオピアを描いた映画『テザ 慟哭の大地』を鑑賞。ハイレ・セラシエ1世皇帝の失脚により、生まれた新しいエチオピアに希望を抱いて帰国した主人公は、次第に内戦に突入していくメンギスツ政権に失望し、再びドイツへ、しかしドイツでは希望を失った亡命者に囲まれ、居場所がなく、身に襲いかかった不幸を抱えたまま、年老いた母に会うために内戦末期の祖国に戻る。
エチオピアと言えば帝政時代に花開いたエチオジャズ、そしてラスタファリアンが神と崇拝するハイレ・セラシエ1世、そして80年代の内戦と干ばつに伴う飢餓、91年の内戦終了にともなう新たな建国と、文字の上では知っていたが、具体的には何も知らなかった。「テザ」はそうした歴史を知ることが出来るのと同時に、音楽好きなら、全編を流れる音楽の素晴らしさに圧倒されるはず。酒場のアズマリ、正教の御詠歌、ハープの弾き語り、エチオジャズ、日本の演歌ソックリなエチオブルーズ。ちなみにサントラはエチオピア人音楽家ではなく、NYのタミル系ピアニスト、ヴィジャイ・アイヤルだった! 
近年、ワールド音楽の世界ではクラブ系、ジャズ系、ジャムバンド系など様々な形のエチオピア音楽のリバイバルが目立つ。しかし、音を聞いているだけでは想像出来ることは限られている。僕にとってはこうした映画によって音の向こう側にある風景をのぞき見して、ほんの少しでも知る事はとても嬉しい。

『テザ 慟哭の大地』

by salamunagami | 2011-06-28 18:55 | エキゾ映画  

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