Maroc 03, Arabe-Andalus a Tanger
まだまだ時差ボケが続いていて、朝6時にはすっかり目が覚めてしまう。8時47分の電車に乗るにははちょうど良い。今日は首都ラバトから地中海と大西洋の狭間の港町タンジェへと電車移動。モロッコ国鉄の一等座席はエアコンが効いたコンパートメント形式で足も伸ばせるし快適。持ってきた本を読んでいるうちにあっという間に12時半になり、タンジェに着いてしまった。
駅を一歩外に出ると、目の前にはギラギラした目つきの客引きやタクシー運ちゃんが十名ほど詰めていて、飛んで火に入る夏の虫を待ち受けている。さて、気合いを入れてかかるかと思って一歩踏み出した途端に手に入れたばかりのモロッコ携帯の呼び鈴が鳴る。日本の番号だ。出ると元旦に出演するJ-WAVEの番組モダイスタのディレクターHNさんだった。「そちらはどうですか?」との問いに、「ちょうど良い質問です。ただ今、目の前には人相悪いギラギラした目つきのアニキ達が十名ほど僕を見ています」と答えておいた。そうそう、正月元旦土曜の午後にJ-WAVEモダイスタにこちらから電話出演しますので、東京にいる皆さん是非聞いてやって下さい!
タクシーに乗り、旧市街メディナの中にある、19世紀から続いているタンジェ最古のホテル、Continentalへ。このホテルは映画「シェルタリングスカイ」にも出てくる由緒正しい場所。メディナの外れの高台に立ち、窓の外には地中海が広がっている。ジブラルタル海峡を挟んで海の向こうはスペイン。海風のせいで、ラバトと比べると肌寒い。
タンジェを訪れるのは15年ぶり。メディナの中心地プティ・ソッコは15年前と全く変わらない。
坂道で階段も多いメディナを散策し、疲れたらカフェで休みを繰り返す。この妖しげなカフェはCafe Baba。かつてはポウル・ボウルズやブリオン・ガイシンらが入り浸ったというが、現在は不良アニキ達が中心だ。
夕陽が沈むと途端に肌寒くなり、空から雨がパラパラと降り出した。が、傘も持たずに昼間のうちに場所を確認しておいたアラブ・アンダルース音楽の音楽家が集うカフェ、Fils de Detroitsへ。ここはモロッコ版ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブとも呼ばれる場所。中世スペイン・アンダルシアから伝承されてきた古典宗教音楽の生演奏がカフェ一杯の値段で聴けるのだ。狭い店内に入ると、ジュラバ姿の良い顔のオッサン達が歓迎してくれ、ミントティーを飲んでいると、ウード、ダルブッカ、レク、ヴァイオリンによる演奏が始まった。ラテン〜地中海的な明るさとアラブ音楽が絶妙に混ざった典雅な音楽はスペインのフラメンコや南仏の中世吟遊詩人の音楽とも似ている。十世紀も昔の音楽が今も当時とあまり変わらない形で生き残っているのがすごい。
店内は微妙にいぶしているが、内装にはしっかり気を遣っている。何曲か聞いていると雨が大降りになり、帰れなくなってしまった。すると隣のインテリアショップの主人が現れ、アラブ=アンダルース音楽について色々と講釈してくれた。8時過ぎまで5曲の演奏を聴き、ビデオに撮らせてもらう。帰ったら、皆さんにお見せしましょう。
雨が小降りになった瞬間を見て、オヤジ達からCDを買い、ホテルに帰着。明晩もFils de Detroitsに行くつもり。
by salamunagami | 2010-12-31 07:18 | エキゾ旅行

