「僕のスウィング」も見直しました。
主役が少年少女だから、ガトリフの一連のジプシー映画の中では一番穏やかで緩い。チャボロ・シュミットは超絶ギタリストだけど、俳優じゃないからな。でもその分取っつき易いかもね。
基本的には音楽はマヌーシュ・スウィングなんだけど、「ベンゴ」に引き続き、またまたアラブ音楽、ユダヤ音楽との異種共演がある。これはガトリフ監督がジプシーとアルジェリア人のハーフだからだろうね。でも今回の「愛より強い旅」が公開されるまで、ガトリフ=ジプシー音楽と言われてきた(オレも言ってきたし)。でも実は今までもジプシーだけでなくアルジェリア〜アラブも語ってたんだよね。今回の「愛より強い旅」は試写会で見た後、ビデオも何度も見た上で映画パンフレットやCDライナーノーツの原稿を書いたから、漏れのないように書けたけど、「ベンゴ」や「僕のスウィング」の時は映画も1回しか観てないのに、雑誌の記事とか書いてたから、今思うと、アラブ〜アルジェリア音楽についての言及が足りてなかったはず。音楽CDのことを原稿にするときは何度も聞いてから書くけど、映画って大抵は1回だけで書かざるを得ないからな。
そういえば、女性ばかりのアンサンブルの中に「ガッチョディーロ」の中で「ノラルカ」を歌っていた女性歌手ミツーラがさりげなく出ているのも発見しました。
劇中で果物をぶつけ合ったりしてジャレるのは「愛より強い旅」にも「ベンゴ」にもあるし、恋人同士が森の中で追いかけっこするのは「ガッチョ・ディーロ」にも「愛より強い旅」にも出てくるから、ガトリフ監督にとって重要なモチーフなんだろうな。
今夜は「ガッチョ・ディーロ」を見る予定。
僕のスウィングのDVDへのリンク
by salamunagami | 2005-12-15 18:36 | エキゾ映画