2.25 Sat. 1st day in Islamabad, Pakistan

c0008520_23203120.jpg2月25日土曜 イスラマバード初日

睡眠薬を半錠飲んだにもかかわらず、6時過ぎには目を覚ましてしまう。日本との時差は4時間。日本は朝の10時だから仕方ない。
シャワーを浴び、洗濯を済ませ、朝食。青唐辛子の入ったオムレツはインドと同じだが、食パンはインドのものより日本の食パンにちょっと近いかな。
10時にジャーヴェードさんが車で迎えに来た。車に乗ってまずはラーワルピンディーのサダル地区近くの両替所ビルに。円とのレートは1.11で、1万円を換えると、11100ルピーが来た。日本円とほぼ同じなので扱いやすい。
c0008520_2323058.jpgジャーヴェードさんと一旦別れ、サダル地区を歩く。まず店頭で沢山のコンロで何やら揚げ物を揚げている店を発見。近寄ると、見ていけ!とアニキに話しかけられたので、料理の様子を写真に撮らせてもらう。ただ、まだ午前10時半なので、お昼の下準備の段階だった。
サダルを歩いていて、ゆりこが若い女性向けのシャルワールカミーズの店を見つけ、色々と試着して三着買う。サダルにはインド映画専門の映画館もあり、公開されていたのは、ボリウッド映画「PLAYERS」だった。
朝は寒いが、日が差してくると途端に日差しが痛いほどになる。ラーワルピンディーは高原のような気候だ。
サダルを一回り歩き、路肩のカフェでカシミール・チャーイをいただく。ピンク色をしたチャーイは紅茶というより、イチゴミルクのような味だった。
歩き疲れたので、サダルの一角にあるジャーヴェードさんの事務所を訪ねると、ちょうどお昼時で、一緒しようと言われ、目の前にあったビリヤニ屋から出前を取ってもらう。
パキスタンに着いて初めてのパキスタン料理。グリーンピースのカレーと、ひよこ豆のカレー、チキンコルマカレー、そしてビリヤニとライタ。チャパティーではなくナーンのようなタイプのパンと、ビリヤニは層にして炊き込むタイプだった。下町の食堂ならではの庶民的な味だがなかなかに美味い。
c0008520_2325197.jpg昼食後はタクシーに乗り、イスラマバードのスーペル地区へ。20kmの直線道路ずっとまっすぐ行くと、ゼロポイントという政治都市イスラマバードの入り口に到着! それから先は道路の舗装状態が突然良くなった。住宅地もデリー南部みたいに閑静だ。イスラマバードは独立時に建立された新たな政治都市だけに、町は碁盤の目状のブロックに分けられている。目的地はスーペル地区、隣はジンナー地区。スーペル地区のスーペルマルケットは、デリーのカーン・マーケットを二回りくらい大きくしたような個人商店中心の商店街。ビルはまだ新しいようで、路面の一階だけは店が入っていて、上の階は工事すら途中で投げ出されている状態のビルも多い。そこで妻と村山先生はカシミアや布の店に入る。妻はカシミアのポンチョとミラーワークのスカートを見つけ、交渉を始める。村山先生もイカットのような伝統的な織物の布を買う。妻の相手をしていた若い店員はiphone4を自慢げに掌でなで回している。値段を聞くと、65000ルピーとのこと。物価が安いパキスタンなのに、携帯にはそれだけ払うのか。お土産屋のアニキが。日本ではiphone4は幾らする?と聞かれたので、基本的に無料だよ。でも二年間の高い契約をさせられるから、毎月高いと答えると、では、日本でiphoneを手に入れて、パキスタンで売れば儲かるね。と言われる。日本の中古車市場はパキスタン人勢力が強いというし、二年おちのiphone3が今後はパキスタンに流れるかもしれないね。
村山先生に案内され、次は大きめのCD&DVD屋へ。インドのチェーン店planet Mとほぼ似た店作りで、欧米のロックやポップ音楽もあり、試聴機などもきちんと並んでいて、ベスト10コーナーなんかも作っている。ハリウッド映画のDVD、ボリウッド映画のDVDもある。ただ、Planet Mや日本のタワーやHMVとの違いは、ほとんど全ての商品が海賊盤CDRおよびDVDRということ。
僕はこれまで音楽ソフト業界で二十年以上も働いてきたので、出来る限り海賊盤には手を出さないようにしてきた。僕達がCDを買って支えることで、音楽アーティストたちに貢献出来ると勝手ながら思ってきた。しかし、ここ数年でそうした20世紀型のシステムは根底から崩れつつある。そして、このところ、面白い音楽の多くは著作権のグレーなゾーンから生まれてきていることも確かだ。パキスタンの音楽ソフトの歴史は知らないのだが、現在の状況をかいま見る限り、著作権が崩れるも何も、最初から海賊盤しかなく、そんなものは存在しないとしか思えない。
これが、隣の国、インドに行くと、現在のボリウッド映画音楽は、元々海賊盤コピーカセットのバッタもの屋からスタートしたT-Seriesの独断場となっている。もちろん今も海賊盤は存在するが、正規盤より少し安いだけで、品質も悪い。それにゴアやプシュカルのような観光地、またはローカルの市場くらいでしか目にしない。
そのお店では海賊盤でしか手に入らないようなカウワーリーやパンジャービー音楽のCDとDVDRを20数枚買って、全部で3450ルピー。
c0008520_23331573.jpgCDショップを出て、スーペル地区を歩いていると、目の前にBUKHARAというアフガン系の土産物屋を発見し、中に入るとその店の店主は村山先生の留学時代の友人で、アフガン系のアジーズだった。なんたる偶然、十数年の再会だという。そこでチャーイを飲むかと言われたので、もうお茶は飲み過ぎたとことわると、緑茶はどうだ?と言われる。パキスタン北部では砂糖無しの緑茶を飲むのだ。中国との国境も近いせいだろうか? たっぷり牛乳と砂糖の入ったチャーイは続けて3杯も飲むと、もうお腹にもたれるが、緑茶なら何杯でもいける。
緑茶をいただき、十数年ぶりの話に花を咲かせている二人を横に、妻がアフガニスタンやトゥルキスタンの骨董指輪を探して、色々と試しているうちに、僕のほうが、猛烈な目の模様の入った灰色の巨大な瑪瑙の指輪を見つけてしまった。しかも左手の中指にちょうど良いサイズ。聞くと、アジーズのお父さんがアフガニスタンの王族の家から買ったという。どこまでホントかわからないが、見た瞬間にこれしかない!と思える指輪が、指にちょうど良いサイズだった時は今までの経験から言って、買うしかない。今回は右手の中指に98年にイスタンブールのアフガニスタン系のお店で買ったテュルクメニスタン製の赤瑪瑙の骨董指輪と、薬指にジャイプルの銀の指輪、左手の薬指に今度は2006年にイスタンブールのアフガニスタン系のお店で買ったテュルクメニスタン製のトルコ石の指輪をして、パキスタンに来た。着いた翌日早々にそれらの指輪三つをまとめてくれる新たなリーダーのような指輪に出会えたんだから、買うしかない。
妻が白い透明なエメラルドの指輪を気に入ったようなので、二つ買ってまけてもらった。
5時半に再び歩き疲れたので近くのビルの二階にあるおしゃれそうなカフェに入る。ちょうど停電の時間で、店内は暗かったが、問題はない。チャーイやコーラなどは飲み飽きたので、メニューにあったコーヒーを頼んだら、見事にインスタントコーヒーだった。現在のインドではインド版のスタバと呼びたい、コーヒーデイズやバリスタがたいていの町にあるが、パキスタンにはまだ入ってきていないようだ。美味いコーヒーはインドまでお預けかあ〜。まあ緑茶があれば問題ないか。
c0008520_23313247.jpg6時過ぎにタクシーに乗り、今夜のコンサート会場Kucch Khaasへ向かう。田園調布とは言わないが、丘陵地帯に豪邸がならぶ一角にKucch Khaasはあった。700ルピーを払い、個人情報を記入し、中に入るとオシャレなカフェとベーカリーが併設されていた。ここは芸術・文化保護研究所Institute for Preservation of Art and Culture (IPAC)が主催している場所らしい。エジプトでもイエメンでもモロッコでも世界中でこういう場所にたどり着いているなあ。中に入ると、白塗りのおしゃれな建物の中に40人ほど床座り出来るスペースと、その前にステージがあり、初老のタブラー奏者と歌手がサウンドチェックを行っている。一足先に入った村山先生はさっそく、彼らに話しかけて、ビデオ撮影の了承を得ている。
c0008520_23361877.jpg今夜のコンサートはジャーヴェイド・トゥファイル・ニヤーズィー Javaid Tufail Niaziという歌手とムハンマド・アジュマル Muhammad Ajmalというタブラー奏者。しかも、何とブーレーシャーやアミール・フスロー、シャー・フセインのスーフィー作品を中心に歌うというプログラムだ。なんという幸運、なんという偶然! 知っての通り、僕と村山先生は故野上フミヤ君たちとスーフィー音楽の研究会「聖者の宮廷考」をずっと続けてきたのだ。この会場、普段は古典音楽や軽古典音楽が中心とのことだ。なのに僕達が来た夜にかぎってスーフィー音楽とは!
7時になると、会場が20人ほどのお客が入ってきた。こちらに住んでいるとおぼしき中年の白人女性たち、パキスタン人の中年男性女性、そして最前列は二人のミュージシャンの親族や弟子だろうか?学生くらいの年頃だ。
ジャーヴェイド・トゥファイル・ニヤーズィーはパンジャーブの民謡歌手らしい。僕も初めて聞いたが、パンジャーブの民謡は民謡らしい、キャッチーな旋律を持っているが、北インド古典からの影響が強い。ちょうどラーガの後に演奏する「ドゥン」みたいな感じだ。5拍子や7拍子の歌も多い。最初のうちは盛り上がった瞬間にもう終わってしまう短い曲をどう感じていいかわからなかったが、後半になるに従い、お客との距離もさらに縮まり、しかもブーレーシャーの「bulla ki jaana」など僕の知っている歌まで飛び出し、熱くなってきた。そして終盤にはジャーヴェイド・トゥファイル・ニヤーズィーの父親が大ヒットさせた、パンジャーブ人なら誰もが知っているという歌を歌い、会場は拍手に包まれた。110分くらいで10曲くらい歌ってくれただろうか。僕も最前列でビデオと写真を撮らせてもらったので、日本に帰ってからも皆さんに紹介出来る。
終了後はジャーヴェイド・トゥファイル・ニヤーズィーの息子さんたちと少し話し、外に出ると、タクシーがなかなか見つからず、10分ばかり立ち往生した。イスラマバードの夜は寒いなあ。
c0008520_021574.jpg9時すぎにタクシーに乗り、ジンナー地区のスーペルマルケットにあるアフガニスタン料理店Kabul Restaurantへ。ここは羊のシシケバブ炭火焼きで有名な店。ケバブ二人前とチキンのスープ、マントゥ、ピラフ、ヨーグルトを頼む。寒い身体にチキンの澄んだスープがとても優しい。続いてはマントゥが運ばれてきた。トルコのマントゥとは大違いで、ウイグルのマントゥに近い。一つの大きさはふつうの餃子の2個分くらいで、中国の饅頭に近い。中に入っているのは羊肉とトマトのミートソース。そこにたっぷりのヨーグルトをかけていただく。これも最高に美味い。そしてとどめがケバブだった。二人前でなんと24本も運ばれてきたのだ。一本のケバブが70~80gくらいだと思う。24本で少なく見積もっても1.7kg、これを三人で割ると一人あたま600g近い。先週、郡山のdommune fukushima に出演し、その打ち上げが街道筋のびっくりドンキーだった。大の大人が7人も揃いも揃って、300gの巨大ハンバーグを頼んだのだ。しかし、今夜はその更に2倍の量の羊肉だ! もちろん味は段違い!
シンプルなハーブと塩味が中までしっかりとしみこんでいて、激ウマ。肉の質もなかなかのもの。しかしながら、毎月一回はシュラスコで20切れくらい食べているハードコア・ノンヴェジタリアンの僕でも、全部は食べきれず、7本を余らせてお土産にしてもらった。食後に緑茶を飲み、精算すると、全部で1995ルピー。2000円以下! これは安い! イスラマバードを訪れるなら、是非この店には行って下さい。シュラスコ好きにはたまらないですよ。
ジンナー地区を腹ごなしに少し歩き、タクシーで宿に戻る。20kmのまっすぐな道を延々と進むとどうにも後ろ座席で眠くなってしまう。
ホテルに戻ると既に夜の11時。1日目から12時間以上も外出してしまったので、さすがに疲れたよ。
シャワーを浴び、写真をmacに取り込み1時前に就寝。
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by salamunagami | 2012-02-26 23:36 | エキゾ旅行  

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