Maroc 13, Tea in Sahara, Again

c0008520_7523410.jpgクサールサニアの朝食はオレンジジュースにカフェオレ、モロッコパンのトーストにマーマレードとジャムとデイツのソース、リヤドほど豪華ではないが十分だ。今日は10時半から半日のラクダエクスカーションだ。ラクダに乗るのは好きではないのだが、この宿のラクダツアーは色々選べる。一時間なら100ディラハム=1000円、日中なら200ディラハム、1泊のテント泊夕食付きで350ディラハム、そして砂漠のオアシスまで出かけ、そこでランチを作って食べる半日コースが260ディラハム=2600円。この最後のコースは面白そうだ。

c0008520_7534722.jpg10時半に宿の裏側デューン側のラクダがたまっている場所に行くと、若いラクダ遣いハミッドが待っていた。今日は半日彼と一緒だ。二台のラクダに乗り、ハミッドが砂の上を北に北にと進路を取る。ラクダの足跡で踏み固められている道を選んで通っているようで、足を砂に取られることなく、ゆっくり何事もないかのように歩を進める。30分、しばらく北上すると宿から目の前に見えている最大のデューンの裏側に回り込む。最大のデューンに登るのではなく、遙か彼方に見える別のデューンを目指して歩いているらしい。突然砂が途切れ、砂漠の中の枯れ川、ワジに出る。多分こうしたワジが突然氾濫して旧クサールサニアは流されてしまったんだろう。ラクダにゆられ、おしりの皮がすり切れそうになりながら、一時間半乗ると、12時前に北のデューンの麓に小さな森、オアシスが現れた。柵で囲まれた中に入ると、テントが沢山張られ、そこに宿泊している西洋人客もいる。僕達の泊まっている宿も最果て感漂ってるけど、このテントは更に極限地帯だ。なんせラクダでしかアクセス出来ない。それに、この季節じゃ寒いだろうに。

c0008520_7542899.jpgハミッドがまずミントティーをふるまってくれる。「サハラ砂漠でお茶を」と言えば、ポリスの「シンクロニシティー」の中の一曲であり、ポウル・ボウルズの小説「シェルタリング・スカイ」の章の名前でもある。僕達は実に15年ぶりにメルズーガのサハラ砂漠でお茶を飲んだ。サハラ地域のお茶はフェズやタンジェなどモロッコの他の地域のお茶と比べて、かなり強くお茶を煮出していて、ミントも乾燥ミントを使うので、日本の渋茶っぽい味がする。以前、ティナリウェンのメンバーに入れてもらったお茶もこんな味だった。

c0008520_7545982.jpgハミッドがモロッカン・サラダを作るというので、調理の一部始終を見せてもらった。
材料:トマト:大4 青唐辛子:大3 キュウリ:大4 赤タマネギ:中1 塩 クミン オリーブ油 オリーブ:20個 シーチキン缶:2個 キリ:4個
1.野菜はへたや芯、皮を取り、全て細かくざく切りにする。
2.オリーブ油に塩、クミンで味付け、1の野菜とともにボウルでよく混ぜ合わせる。
3.皿に載せ、オリーブ、油を切ったシーチキン、キリを上に盛り合わせて出来上がり。
僕が側で見ているからか、包丁やまな板は全て砂漠の湧き水を使ってきれいに流し、野菜もきれいに洗ってから調理していた。しかし、その湧き水自体どの程度きれいなものなのだろうか? まあ、あまり気にしても仕方ない。モロッコで生野菜は食べるなとガイドブックなどには書いてあるが、久々の生野菜だったせいか、汁もパンに漬けて食べて、ほとんど食べきってしまった。 

c0008520_7563826.jpgハミッドはメルズーガ生まれの20歳、兄弟は男3人、女2人、数年前からラクダの仕事をしている。好きな音楽はティナリウェン。ティナリウェンはベルベルの心を歌っているのに世界的に人気だからすごいと言っていた。僕達が食事をしている間に、一つ横の柵で区切られたテント村に日本人のカップルがラクダで現れ、デューンを上り下りしつつ大はしゃぎして、あっという間にまたラクダに乗って帰っていった。まさか隣のテント村に日本人がいて、話声が全て筒抜けだとは思いもしなかっただろう。
僕達は午後2時半にテント村オアシスを出発。行きよりは帰り道のほうが微妙に速い。宿の近くのデューンが次第に大きくなり、ワジを通り、砂漠の中でバギーや砂漠用チャリを乗り回している観光客ゾーンを通り、3時半に宿に戻る。ハミッドに「化石は要らない?」と聞かれたが、「要らないよ。その代わりにこれを妹か弟にあげてくれと」、日本製の書き味抜群の100円水性ボールペンを少々のチップとともにプレゼントした。

c0008520_755587.jpg宿に戻ると、フランソワーズが「今夜はマトンのクスクスよ!」と言うので、作り方を見たいと言って厨房に入れさせてもらった。シェフのモハメッドは木訥としたガイ。助手のアイーシャは一見愛想がないが、ちょっと打ち解けると通じない冗談ばかり言い始めた。

c0008520_7572773.jpg今夜のメニューはハリーラと、マトンのクスクス、リンゴのタルトだ。料理の手順はここでは省略させてもらうが、クスクスは通常のデュラムセモリナ粉のものではなく、伝統的な大麦のクスクスを使った。そのため、三段階に蒸し、合計2時間も蒸し時間がかかった。
クスクスのスープも肉を一時間煮込んでから一旦取りだし、肉のスープで野菜を煮えにくい時間差で煮込んでいく。ハリーラもなんだかんだで一時間半も煮込んでいた。これだけ時間がかかるから都会では圧力鍋を使うようになったんだな。そしてクスクスのトッピングに使うツファイアという干しブドウとタマネギのシナモン煮込みも別に作り置く。
モハメドは実直なプロの料理人といった風情だが、小説好きらしく、モハメド・シュクリとブラヒム・カラウィという作家の本は是非読んでくれと言われた。
フランソワーズの事を知ってるのかと聞かれたので、ここに泊まるのは二度目。前回は15年前だったと答えると、ジェラールがいた頃だね。僕は彼にとてもよくしてもらったんだとのこと。
キッチンがとても清潔だねと言うと、川の氾濫の前は一日120人分を作っていたんだ。今は最大でも40人分くらいだよ。またお客が増えるといいんだけどと暗い表情をした。
料理が一通り出来上がったのは6時半過ぎ。二時間半もかかった。外は既に真っ暗になっている。気温が急激に落ち始めた。一旦部屋に戻り、8時前に暖炉のあるサロンに行く。
c0008520_759014.jpg今夜は昨日に続き、僕達だけしかお客がいない。正月の観光シーズンも一段落したので当然なのだが。周りのオーベルジュだってガラガラだろう。
8時からディナー。ハリーラはシンプルで優しい味噌汁のような薄味。クスクスはマトンの肉が大きすぎたが、それ以外の野菜はとろとろだ。モハメドがクスクスは盛りつけが肝心と言っていたが、その通り、色目も美しい盛りつけだ。デザートのリンゴのタルトも実に実直な味わい。タルトなんて自宅ではほとんど作ったことがなかったが、これからはまめに作れるだろう。
ラクダに3時間も乗って、そのまま料理を作ったので、疲れてしまい、夜10時過ぎに部屋に戻り、いつの間にか眠ってしまった。
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by salamunagami | 2011-01-11 08:03 | エキゾ旅行  

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